使い道いろいろ！過炭酸ナトリウム（酸素系漂白剤）
例えば、うっかり生乾き臭がついてしまったタオル。例えば、汗のにおいが取れなくなったトレーニングウェア。「もう香料で誤魔化すしかない！」と思っていませんか？
実は、生乾き臭も汗臭さも、ごく簡単に取れるんです！
使うのは、「過炭酸ナトリウム」１００％の「酸素系漂白剤」。ドラッグストア、ホームセンター、ネット通販、１００円ショップでも手に入ります。
「酸素系漂白剤（過炭酸ナトリウム）」と書いてあるのは、シャボン玉、地の塩、パックス、暁石鹸、ニチガなど。「過炭酸ナトリウム」と書いてあるのはミヨシ、丹羽久など。
ぬるま湯（４０度から５０度くらいまで）４リットル当たり、大さじ１の過炭酸ナトリウム（酸素系漂白剤）を溶かし、ニオイの気になるタオルや衣類を１時間浸けて、すすいで干すだけ！
生乾き臭を防ぐのに「熱湯をかける」などの裏技もあるようですが、火傷も心配です。過炭酸ナトリウムのつけおきで必要なのは、４０度から５０度のお湯なので、お風呂場で簡単に作れます。
つけおき時の注意点
- 色柄ものOK！
- 濃色と淡色、化繊と天然繊維は別々に
- ゆったりつかる水量に
- 石けん・重曹・セスキ炭酸ソーダ、クエン酸などを混ぜない
- 草木染、ウール・シルク製品は不可。
- ステンレス以外の金属パーツがあるもの不可
- 酸素系漂白剤不可の表示があるものは不可
- 初めての時は過炭酸ナトリウム少なめ、時間少なめで確認
色柄物もOKですが、草木染、ウール・シルク製品、ステンレス以外の金属パーツがある、酸素系漂白剤不可の表示があると使えません。また、色落ちや色移りの可能性があるので、最初は必ず濃い色と薄い色の衣類は別にしてください。一度試して、色移りがないことが分かったものは、次回は一緒に浸けおき可能です。
天然繊維はにおいを吸着しやすいので、一緒に浸けおきすると、化繊から取れた臭いが天然繊維に移ってしまいます。化繊と天然繊維は別々の容器に浸けてください。また、ぎゅうぎゅうに詰め込むと、折りたたまれていた部分と色の差ができてまだらになることがあるので、ゆったり浸かる水量にして下さい。
過炭酸ナトリウムに石けんや重曹やセスキ炭酸ソーダを混ぜる人もいますが、アルカリ度が下がり、過炭酸ナトリウムの力が十分に発揮できません。ニオイ取りや漂白には過炭酸ナトリウム単品で使ってください。
初めて試す品は、過炭酸ナトリウム少なめ、つけおき時間少なめで様子を見てみてくださいね。一度大丈夫だと分かったタオルや衣類は、次からは遠慮なくつけおきできますので、もう臭いは怖くありません！
ワキ臭予防に、肌着を毎回浸けるのも◎
耳垢が湿って柔らかいタイプの方は、耳垢がカサカサ乾燥しているタイプの人と比べて、体臭が強い傾向があると言われます。
耳垢が柔らかいタイプの方など、特にワキ臭が気になる方は肌着だけ毎回過炭酸ナトリウムで浸け置きすると、繊維に残った雑菌を一掃してくれるため、汗をかいても臭いづらく効果的です。汗によるワキ部分の黄ばみも防ぐことができます。
雑菌も、過炭酸ナトリウムも、すすぎの水と一緒に流れて行ってしまうので、衣類から化学物質が出て周りの人が苦しくなることもありません！
浸け置き後は、すすいで干せば良いのですが、肌着を1枚だけすすいだりするのが面倒なら、帰宅後すぐ、小さなバケツに1時間、ぬるま湯と過炭酸ナトリウムで浸け置きしておき、それから、他の洗濯ものと一緒にまとめて洗濯機で洗い・すすぎ・脱水まで済ませると簡単です。
量が多いなら洗濯機でも
浸けおきしたい物の量が多い時は、縦型洗濯機でも浸けおきできます。４５度くらいのお湯を注ぎ、３０リットルなら、大さじ７杯と半分の過炭酸ナトリウムを入れます。（４リットル当たり大さじ１で計算します。）
つけおきコースがあれば、６０分浸け置き後に脱水するところまでセットしておくと、うっかり長く浸け置きし過ぎる心配もありません。温水は浸け置きの時だけ。すすぎの時は水で大丈夫です。
ただし、過炭酸ナトリウムとお湯を使うと、洗濯槽の裏のカビが剥がれて内部にも落ちてきます。もし最近洗濯槽のお掃除をされていないなら、洗濯機でつけおきする前に、過炭酸ナトリウムで洗濯槽のお掃除をしてしまいましょう。
洗濯槽のお掃除もできます
専用のクリーナーを購入しなくても、過炭酸ナトリウムで洗濯槽のお掃除ができます。縦型洗濯機の洗濯槽に40度から50度のお湯を満水まで張り、水量10リットルあたり100gの過炭酸ナトリウムを入れて「洗い」だけをして一晩おきます（お湯が入ったまま）。
洗濯槽を覗いてみて、大量のワカメのようなものが出ているようなら、この時点でアミなどで掬って取り除いてください。今までこんな汚れた洗濯槽でお掃除していたなんて！と、ギョッとされるかも知れません。
翌日、スイッチを入れ、洗いから脱水までさせます。しばらく洗濯槽のお掃除をされていなかった場合は、まだ洗濯槽に黒いゴミがあるかもしれません。その場合は、黒いものが出てこなくなるまで「洗い」と「脱水」を繰り返してみてください。
ドラム式の場合は水量10リットル当たり50gの過炭酸ナトリウムが目安になるようです。ただし、ドラム式洗濯機のメーカーによっては過炭酸ナトリウムを使わないようにという指示がある場合もあるそうなので、取扱説明書をよく読み、メーカーのサービスセンターなどに相談してみてください。
食洗機の洗浄剤として、水筒の茶渋やカビ取りにも
過炭酸ナトリウムは食器洗浄乾燥機用の洗浄剤としても使えます。５人家族用の食洗機に小さじ１から大さじ１までの間で、どれくらいがちょうどか、試してみてくださいね。泡もカスも出ないので、お手入れ要らずです。
普段お使いの水筒の茶渋やフタ部分凹凸の黒いカビを取りたい時にも、40度～50度のお湯を注ぎ、300mlに対して小さじ2分の1、600mlに対して小さじ1くらいを目安に入れます。30分～1時間の間に覗いてみると、すっかり綺麗になっているはず。長く使っていて、茶渋が何層にもなっているような時は、何度か繰り返してみてください。
ほかにも排水溝のお掃除などにも使えます。ぜひ工夫してみてください。
もちろん漂白にも
もちろん布製品の漂白やシミ抜きにも使えます。色柄物もOK！漂白の場合は40度～50度のお湯2リットルあたり、大さじ1が目安です。浸け置き時間は30分程度。
お湯の温度が高すぎると、泡が沢山出てくるだけで漂白効果がありません。40度から50度になるよう注意してください。
洋服などの場合、最初に一回洗濯をして、汚れを落とした後に過炭酸ナトリウムで浸け置きすると、狙っているシミや黒ずみにパワーが集中するので、漂白の効果が高くなります。
漂白の時も、まだらに色が抜けるのを防ぐため、ぎゅうぎゅうに詰め込むのでなく、ある程度のゆとりのある水量で浸け置きしてください。
ニオイ取りの時と同じで、草木染、ウール・シルク製品、ステンレス以外の金属パーツがある、酸素系漂白剤不可の表示があると使えません。お使いの過炭酸ナトリウムのパッケージと、洗いたいものの品質表示をよく見て確認してくださいね。
お洗濯の助剤として
純石けんをお使いの方が、アルカリ度を高めて洗浄力を上げる目的で過炭酸ナトリウムを使われることもあるようです。さらにアルカリ度の高い「炭酸塩（炭酸ソーダ）」の方が助剤に向いていますが、過炭酸ナトリウムの方が入手しやすいかも知れません。
液体せっけんと一緒に使う時は、前もって溶かしてから投入するなど、メーカーさんの指示に従ってお使いください。